これ読んだ

読書記録(感想ではない・あとたまに映画)

まあだだよ

数ヶ月前、内田百閒の岩波文庫冥途・旅順入城式を読んで、

文学全集買ったけど、内田百閒は収録されてないし買っちゃえ~と他の文庫買ったら、

まさかの収録作品かぶりをやらかしたりしてた時に、

黒沢明まあだだよは内田百閒の話と聞いて観ました。

 

他の文庫には百鬼園随筆が収録されていたので、

まあだだよに描かれる内田百閒の生活がよくわかりました。

退職したのにやたらと学生に愛され愛す老教師のお話。

還暦のお祝いから始まった摩阿陀会。

劇中には第1回と第17回の様子が映し出され、出席者がガラッと変わってはいますが、

どちらも月日が経っても内田百閒がいかに愛されていたかわかります。

映画の大半を占める愛猫ノラの捜索シーン。

先生のためなら先生の家の隣の敷地買うかと即決で買ってしまう、

学生たちも世界にたった1匹しかいないノラだけはどうしても見つけられない、

弱っていく先生におろおろするばかり。

ストーリーは、派手なことはなく淡々と進んでいきます。

はっきり言えばおそろしく地味な映画です。

でも、こんな小説家がいたと思いだした時にみるといいかもしれない。

 

デジタル・リマスター版のジャケットいいですね。

ワンシーンだけでチラッと出てくるシーンなんですけど、

とてもかわいい夫婦です。