これ読んだ

読書記録(感想ではない・あとたまに映画)

船を建てる

気が付けば今年ももう8月。

今年もまた夏が終わってしまうのか。

夏の終わりの読書はなにを読もう。

そもそも夏の終わりとはいつなのか。

 

船を建てるは旧版が絶版の頃に知って、数年前のGWにいつの間にか

再販してることを知って買いました。

淡々とアシカたちの日常を描いたストーリー。

出会いと別れを繰り返し、何とも言えない終わりに近づく。

短編が連なってるような漫画。

まったく話が繋がっているとは途中は思わないけど、

物語の終盤、一気にすべてのストーリーが繋がって見えます。

形を変えて、何度も日常を繰り替えてしているのがいい。

 引用元を考えるのも面白い。

ところどころに映画や音楽からの引用がみれる。

何度も世界が終わる感覚が描かれるけど、

晴れの日がずっと続いて不安になってくるような、

目に見えないだけでどこかで悪いことが起きている気がする不安のこと。

天災や人災ではなくて大切だった人がいなくなり、

今までの日常が変わる・昨日までの生活が過去になる終わりのこと。

新聞の訃報欄で、しばらく会ってない知り合いの訃報を知った時のような感覚に近い。

泣きわめくような悲しみじゃなくて、

そのうちその生活にも慣れてしまうだろうという程度のもの。

でもいつの日か悲しみがドッと寄せてくるんだろうな。

100年経ったらみんなもういないし、また再び出会えるだろうは、

本当に救いの言葉なのだろうか。

再び別れるのはつらいから、なかったことにする選択もありえると思う。