ベニスに死す
ひとつ前の記事で、祖父母が死んだら荒れ狂うって書いたけど、
本当に祖父が死んだときに荒れ狂ってしまい(過呼吸・不眠・食事がとれない)
葬儀が終了して家に帰ってきて、とりあえず気を落ち着かせようと、
観たのがベニスに死す。
それから毎年祖父の命日に観てたけど(8月21日)、去年祖母も亡くなってしまい、
さすがにつらいので去年からもう観てない。
たぶん今後も観ることはないだろう。
老音楽家が、静養地でたまたま見かけた美少年の虜になり、
ずっと姿を見つめ続けていくお話です。
会話は一度もないです。妄想の中で1度だけ会話する程度。
個人的に観たタイミングが死にまみれていたということもあるけど、
映画自体が本当に死にまみれている。
映画の全体的な美しさは死を誤魔化すためのような気がしてきます。
疫病が流行して消毒剤を町中に撒いているのに、疫病など流行していないと言うように。
でも、死の間際に幻のような世界で幻を追って死ぬのだから悪くはない話だと思います。
ところどことに入る回想は完全に走馬燈だと思う。
なんか品がないなっていうシーンが多いのは
舞台になったホテルのランクがちょっと低い設定らしいですね。
高名な老作曲家アッシェンバッハが通常なら泊まらないような宿だそうです。
現世が嫌になって地獄を覗いたら美しい悪魔がいた、そんな感じかな。