これ読んだ

読書記録(感想ではない・あとたまに映画)

人形と情念

大学時代に読んで最もよかったといえる本はこれだろう。

図書館で借りて読んで3~4回借りて読んで、

買おうかな~いやいいやを繰り返していたらこの価格。

8000円って。

借りた図書館自体もなくなってしまったし、本当にしょうもない本以外は買うに限る。

アニメ~とかフィギュア~とそういった、キャラクターに自分を投影する現代人、

特に若者について書かれた本って今きっとあるんだろうけど、

(あったら読みたいので教えてください。)

これはそれよりもちょっと前の、偶像に対する人間の心理とか書いてあった気がする。

小さなものでは、交通安全って書かれたキャラクターのお守り、

願いを託してなにかしらの思い入れって持っちゃうよねとか、

大きいっていうか、なんというか、人形の世話をして暮らしてる大人の話とか。

着替とかそんなん当たり前で、一緒に食事をしてお風呂に入って、

仕事とかで外出するときはお留守番って形になるので、

ああ!なんも問題起きてないかしら!とか

そんな風にかなり思い入れ持っちゃってる話とか載ってます。

最近は、しゃべる家電があるせいで家電と会話しながら家事をこなす人も

いるらしいけど、似たようなもんかな。

個人的に、漫画・アニメキャラクターにより、特に個性もなく性格も設定されてない、

キャラクターに自己を投影するというのはとても大切なことだと思います。

性格を一から自分で設定していき、こんな性格だったら嫌だよねじゃあこんなことは

他人にするのはやめようって人格を固めていく過程になると思うから。

正直、子供に与えるならアニメキャラクターよりもなんも変哲もない

動物のぬいぐるみとかにしたい。

でも最近あまり売ってないよね。

アニメキャラクターは死なないけど、なんも変哲もない動物のぬいぐるみは

いつの日か目が取れたりしてただの無機物に戻ったりする。

それまで持っていた思い入れがす~と抜けていく瞬間、

あれはいったいなんなんだろう。

 

Amazon.co.jp: 人形と情念 (現代美学双書 4): 増淵 宗一: 本