昔話にみる悪と欲望 -継子・少年英雄・隣のじい- 増補新版
ブログ飽きたんじゃなくて、特に本をよんでなかったのと、
何を読んだか思い出すこともしてなかったので、止まってました。
で、昔話にみる悪と欲望~を読みました。
アマゾンのリンクはうまく貼れなかったのでそのうち。
(別にアフィリエイトサイトじゃないのでいいんだけどさ)
昔話に出てくる俗言う悪役ってなんなのかな?っていう本です。
基本的には、成功者の影・もしくは失敗した笑いものって感じです。
読んでて思ったんだけど、シンデレラって心の優しい子として描かれているけど、
父親が後妻を迎えた時になんらかの反抗をしたのではないか?と思います。
たとえ、継母が元々意地汚かったとしても再婚した相手の連れ子に
奴隷同然の扱いをしてその父親が黙っているというのはおかしい気がします。
シンデレラはハイティーン設定のはずだし、そこそこいい家柄のはずだし、
本当に邪魔だったら、適当なところに嫁にでも出してしまえばいいのに、
家に置いておいて奴隷同然の扱いをしたのはなんらかの見せしめだと思います。
舞踏会にいくときだって、ドレスは最初寄せ集めで作ってるし、
その時に使った素材が義理姉のものを無許可で拝借(いちゃもんか、元は取り上げられたシンデレラのものかもしれませんが)してるし、
妖精の力を借りて舞踏会に行って帰ってきたあとも、「まぁ!そんな王子を虜にした謎の美女が?会ってみたいわ」と嘘をつく、そもそも舞踏会には行くなという言いつけを破ってるんですよね。
シンデレラ、心の優しい子が耐え続けた末の幸せな物語というよりも、
自分の我を通し続けそれで継母と義理姉との折り合いが悪くなり、
自らの立場がとことん落ちてもチャンスを逃さず掴んだ女の物語っていう認識の方があってるのではないか。
そのために悪役に仕立てられたのが継母って気がします。
物語がドラマチックになるし。
似たような継子いじめ譚でも、腹違いの妹が助けてくれて、一緒にあの母親やばいわって逃げて、そのうちお父さんが探しに来てくれて、お父さんがたとえ産んでないとはいえ娘殺そうとする人は妻としてどうかと思うって追い出して3人で幸せに暮らすやつとか、落窪物語とかについて載ってます。
載ってはいないけど、好きな継子いじめ譚は「百槇の話」と「ホレおばさん」です。
「百槇の話」は義理の妹がやさしい話で、
「ホレおばさん」は義理の妹が意地汚い話です。
百槇の話の話は、ついうっかり継子を殺してしまってシチューにして食べてしまうあたりがいいですね。少年の肉ですよ。
「ホレおばさん」こそシンデレラが目指したかった、真面目なものは幸せになれるって
話のような気がします。