夢みる家具 森谷延雄の世界
表紙でもわかる通り、かなりファンシーな家具をデザインしていた、
森谷延雄の展覧会の図録も兼ねた本。
デザインにハートとか童話をモチーフに盛り込んだものあったりして、
かなりファンシー。
姫系家具ってあるけど、あんなのただのピンクと白いだけだし、
本当のロマンチックな家具とはこういうことを言うんだと思わせるデザインです。
まだまだこれからっていう時に亡くなってしまうんだけど、
もっと長生きしていたら、ただ欧米をなぞった洋風インテリアだけではなく、
日本独自の洋風インテリアも発展していたんだろうか。
死の前年に、工芸界に苛立ちを募らせ、
「昔に生れれば幸福であつた私達の工芸はどうして
春窓の夢から醒めないのでせうか、ゆすつてやつて下さい、
なぐり起こして下さい」と残しているのをみると、
ただかわいい家具を作っていたわけじゃないんだなって思います。